会長挨拶

埼玉県精神科アウトリーチ研究会 会長

藤田茂治(訪問看護ステーションりすたーと所長)


このたび埼玉県精神科アウトリーチ研究会の会長を拝命いたしました。このような大役が務まるのか心配ではございますが、埼玉県の精神科アウトリーチサービスがより良い方向へ進み、精神障害を持っておられる方々へ質の高いアウトリーチサービスが、どの地域でも、誰にでも提供できることを目標に、メンバーともども頑張って参りたいと思っております。

私が精神科訪問看護を始めたのは平成17年の7月です。その頃は精神科訪問看護の認知度もまだまだ低く、全国的にも少なく、社会的入院(病状は安定しおり、必ずしも治療や退院を前提としない長期入院の事)の患者さんも多くおられました。

精神科病院の看護師として日々勤務していた私は、「なぜ退院できないのか?」ということに疑問を持つ日々でした。私の受け持ち患者さんをどうしても退院させてあげたい。しかし、地域が、社会が受け入れてくれない。という苦難も経験しました。

その時に地域の方々が口にしておられたのが「精神科の訪問看護があれば」ということでした。一大決心をし、病院看護師を退職して精神科に特化した訪問看護ステーションを立ち上げ、活動して参りました。

時代は流れ、国も病院医療から地域医療へ少しずつシフトしており、精神科訪問看護、精神科アウトリーチサービスも増えてきています。しかし、まだまだ精神科アウトリーチサービスが数、質ともに充実しているとは言い難い現状にあると思います。

精神保健医療福祉領域においてはまだまだこれからの部分も多く、埼玉県の精神保健医療福祉も例外ではありません。

埼玉県の精神科アウトリーチサービスの質の向上、精神科アウトリーチサービスを行っている者同士の繋がり、連携の強化を目指して埼玉県精神科アウトリーチ研究会は様々な研究、研修会、事例検討会などの開催をして参りたいと思っております。

本会の活動にご理解とご協力をいただき、多くの皆様に参画していただけますよう、よろしくお願い申し上げます。


                                            2018年4月28日